シマノ RD-M370は、ALTUSグレードに属する9速対応のリアディレイラーで、エントリークラスのマウンテンバイクやクロスバイクに広く採用されてきた実績あるモデルです。評判としては「価格相応に十分使える」という声が多く、約4,000円前後というコストパフォーマンスの高さが最大の魅力となっています。本記事では、RD-M370の評判を中心に、基本スペックや技術的特徴、後継モデルとの比較、調整方法やメンテナンスのポイントまで、このリアディレイラーに関する情報を詳しくお伝えします。購入を検討している方はもちろん、既にお使いの方がメンテナンスやアップグレードを考える際にも参考にしていただける内容です。
- シマノ RD-M370とは?ALTUSグレードの9速リアディレイラー
- シマノ RD-M370の評判と口コミ──メリットとデメリット
- RD-M370のグレード的位置づけ──シマノMTBコンポーネントの中での評価
- RD-M370に搭載された技術的特徴──評判を支えるシマノの変速技術
- SGS(スーパーロングケージ)の特徴──RD-M370がMTBに適している理由
- RD-M370と他モデルの違いを比較──評判の裏付け
- 後継モデルRD-M2000との比較──RD-M370からの進化ポイント
- 従来型とシャドータイプの違い──RD-M370の構造的な特徴
- RD-M370の取り付けと調整方法──自分でできるセットアップ
- RD-M370の互換性──他パーツとの組み合わせについて
- RD-M370のメンテナンス方法──長く使うためのポイント
- RD-M370のトラブルシューティング──よくある問題と対処法
- RD-M370からのアップグレード──おすすめの選択肢と評判
- まとめ──シマノ RD-M370の評判と選ぶべき人
シマノ RD-M370とは?ALTUSグレードの9速リアディレイラー
シマノ RD-M370は、正式名称を「SHIMANO ALTUS RD-M370-SGS」といい、MTB向けに設計された9速対応のリアディレイラーです。SGSはスーパーロングケージを意味し、ワイドなギア比の組み合わせに対応できる仕様となっています。M370シリーズは2013年頃にリリースされ、ALTUSグレードとして初めてリア9速に対応したシリーズとして登場しました。それ以前のALTUSは7速または8速対応であったため、M370シリーズの登場はエントリーグレードにおける大きな進化でした。
RD-M370の主要なスペックを以下の表にまとめます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 対応速度数 | 9速(リア9スピード) |
| 対応エンド形状 | 直付けタイプ |
| プーリーケージ | SGS(スーパーロングケージ) |
| 対応トップギア | 11T |
| 対応ローギア | 28T〜34T |
| トータルキャパシティ | 45T |
| 最大フロント差 | 22T |
| プーリー歯数 | 上下とも11T |
| カラー展開 | ブラック、シルバーの2色 |
| 標準価格 | 約4,200円前後(税込) |
RD-M370は直付けタイプのリアディレイラーであり、フレームのリアエンド部分に直接取り付ける方式を採用しています。これはシマノのMTB向けリアディレイラーにおいて一般的な取り付け方法です。プーリーケージはSGS仕様のみの展開で、ワイドなギア比の組み合わせに対応できるよう設計されています。
シマノ RD-M370の評判と口コミ──メリットとデメリット
RD-M370の評判について、実際のユーザーから寄せられている意見を総合的にまとめます。結論として、RD-M370は「価格相応に十分使える」と評価されており、エントリーユーザーから高い支持を得ているリアディレイラーです。
RD-M370の評判が高いポイント
RD-M370が高く評価されている最大の理由は、コストパフォーマンスの高さです。約4,000円前後という価格で9速対応のリアディレイラーが手に入る点は、これから自転車を始める方やパーツ交換の費用を抑えたい方にとって大きな魅力となっています。旧型のRD-M310と比較してデザインが改善され、ディレイラー本体の剛性も向上したという評価があります。
また、シマノの基本的な変速技術であるダブルサーボパンタメカニズムやワイドリンク設計が搭載されているため、エントリーグレードとしては十分な変速性能を持っている点も好評です。日常的な通勤通学や軽いサイクリングといった用途であれば、変速操作に不満を感じることは少ないという声が多く聞かれます。
さらに、鉄部品が多用されている構造は重量面ではマイナスに働くものの、耐久性の面ではプラスに作用する可能性があります。錆びないように適切なメンテナンスを行えば、長期間にわたって使用できるという評判も見られます。
RD-M370の評判で指摘されるデメリット
一方で、RD-M370にはいくつかのデメリットも指摘されています。まず、鉄部品が多く使われているため、上位グレードと比べて重量がある点が挙げられます。仕上げや部品のレベルは価格相応であり、質感の面では上位グレードに劣る部分があります。
また、RD-M370はシャドータイプではない従来型のデザインを採用しているため、横幅の張り出しがやや大きいという点もデメリットの一つです。オフロードでの走行時に路面の障害物や岩などとの接触リスクが後継モデルよりも高くなります。本格的なMTBライディングを楽しみたい方にとっては、この点が気になるところでしょう。
総合的な評判としては、本格的なMTBライディングには上位グレードが望ましいものの、日常的な使用やライトなサイクリングには十分な性能を持つリアディレイラーとして広く認められています。
RD-M370のグレード的位置づけ──シマノMTBコンポーネントの中での評価
RD-M370の評判を正しく理解するためには、シマノのMTB向けコンポーネントにおけるALTUSグレードの位置づけを知ることが重要です。シマノのMTB向けコンポーネントには性能と価格による明確なグレード分けがあり、以下の表で各グレードの位置づけを確認できます。
| グレード | 位置づけ |
|---|---|
| XTR | 最上位・レース向けプロフェッショナルグレード |
| DEORE XT | ハイパフォーマンスグレード |
| SLX | トレイルライド向け上位グレード |
| DEORE | ミドルグレード・コストパフォーマンスに優れる |
| ALIVIO | エントリー上位グレード |
| ACERA | エントリー中位グレード |
| ALTUS | エントリーグレード |
| TOURNEY | 最廉価グレード |
ALTUSは、TOURNEYの一つ上に位置するエントリーグレードです。完成車では定価5万円前後の自転車に採用されることが多く、日常的なサイクリングや通勤通学、軽いトレイルライドなどの用途に適しています。ALTUSというグレード名はラテン語で「高い」を意味する言葉に由来しており、エントリーグレードでありながらもシマノの基本的な変速技術がしっかりと盛り込まれた、価格以上の性能を提供するグレードとして知られています。
RD-M370に搭載された技術的特徴──評判を支えるシマノの変速技術
RD-M370の評判を支えているのは、シマノが長年培ってきた変速技術の数々です。エントリーグレードでありながら、上位モデルにも通じる技術が搭載されている点が、高い評価につながっています。
ダブルサーボパンタメカニズムの特徴
ダブルサーボパンタメカニズムとは、ディレイラーとフレームのエンド部分を繋ぐブラケット部分にもテンションスプリング(Bテンション)が組み込まれた機構のことです。従来の構造ではプーリーケージのみにスプリングが仕込まれていましたが、ダブルサーボパンタではブラケット部分にも追加のテンションが搭載されています。この機構の最大の利点は、ガイドプーリーとスプロケット歯先の距離を一定に保てることです。スプロケットの歯先への上プーリーの追従性が優れているため、ワイドなスプロケットにも対応でき、精密で素早く確実な変速が実現されています。
ワイドリンク設計による安定した変速性能
RD-M370はワイドリンク設計を採用しています。これはリンク部分(平行四辺形のパンタグラフ構造)の幅を広くとることで、剛性と耐久性を向上させる設計です。ワイドリンクにより変速時のブレやねじれが抑制され、安定した正確な変速性能が長期間にわたって維持されます。エントリーグレードにこの設計が採用されていることは、シマノの品質へのこだわりが感じられる部分です。
低摩擦ブッシングによるスムーズな操作感
リンクのピボット部分にはフッ素コーティングされたブッシングが使用されています。これにより変速操作時の摩擦抵抗が低減され、軽い力でスムーズな変速が可能となっています。このフッ素コーティング処理は上位グレードにも共通する技術であり、変速フィーリングの向上に大きく貢献しています。
メガ9ドライブトレインとの連携
メガ9ドライブトレインとは、シマノが9速システムのために開発した駆動系の総合的な設計思想です。スプロケット、チェーン、リアディレイラーが一体となって最適な変速性能を発揮するよう設計されており、ストレスのないロングライドを実現するワイドギアレシオへの対応を可能にしています。RD-M370はこのメガ9ドライブトレインに対応しており、9速システム全体として最適化された変速性能を発揮します。
SGS(スーパーロングケージ)の特徴──RD-M370がMTBに適している理由
RD-M370はSGS(スーパーロングケージ)仕様のみの展開です。リアディレイラーのプーリーケージにはSS(ショートケージ)、GS(ミディアムケージ)、SGS(スーパーロングケージ)の種類があり、RD-M370が採用するSGSは最も長いケージで、ワイドなギアレンジに対応する主にMTB向けの仕様です。
ケージ長が重要な理由は、リアディレイラーの「トータルキャパシティ」に直結するからです。トータルキャパシティとは、リアディレイラーが吸収できるチェーンのたるみの最大値を示す数値で、計算式は「(フロント最大歯数−フロント最小歯数)+(リア最大歯数−リア最小歯数)」で求められます。
たとえばフロントが44T-22T(差22T)、リアが11T-34T(差23T)の場合、トータルキャパシティは45Tとなります。RD-M370のトータルキャパシティはまさに45Tであるため、この組み合わせにちょうど対応できます。ケージが短いSS仕様のリアディレイラーではこのようなワイドレンジの組み合わせに対応できず、チェーンのたるみを十分に吸収できないためチェーン落ちや変速不良の原因となります。MTBのようにフロント・リアともにワイドなギア構成を使用する場合はSGSケージのリアディレイラーが必須です。
RD-M370と他モデルの違いを比較──評判の裏付け
RD-M370の評判をより客観的に理解するために、同じ9速対応の他のリアディレイラーと比較します。
| 比較項目 | RD-M370(ALTUS) | RD-M390(ACERA) | RD-M4000(ALIVIO) |
|---|---|---|---|
| グレード | エントリー | エントリー中位 | エントリー上位 |
| 対応速度 | 9速 | 9速 | 9速 |
| トータルキャパシティ | 45T | 45T | 45T |
| 対応ローギア | 最大34T | 最大34T | 最大36T |
| シャドータイプ | 非対応 | 非対応 | 対応 |
| 特徴 | コスパ重視 | 高品質な仕上げ | シャドーデザイン採用 |
RD-M390(ACERA)はRD-M370の一つ上のグレードで、スペック上のトータルキャパシティは同一ですが、より高品質な仕上げと若干軽い重量が特徴です。変速性能自体に大きな差はないものの、外装の質感や耐久性の面ではRD-M390が勝ります。
RD-M4000(ALIVIO)との大きな違いは、シャドータイプのデザインを採用している点です。シャドーディレイラーは横幅の張り出しが抑えられた設計で、路面の障害物にヒットしにくいという利点があります。また対応ローギアが最大36Tまで拡大されており、より軽いギアの使用が可能です。価格差はわずかであるため、新規購入の場合はRD-M4000の方がおすすめです。
RD-M310(ALTUS)はRD-M370の下位モデルにあたる7/8速対応のリアディレイラーです。変速段数が減少するためギアレンジが狭くなり、性能面ではRD-M370が優位です。
後継モデルRD-M2000との比較──RD-M370からの進化ポイント
2017年頃、ALTUSのM370シリーズはM2000シリーズへとモデルチェンジしました。後継モデルであるRD-M2000は、RD-M370からいくつかの重要な進化を遂げています。
RD-M2000の最大の変更点は、シャドータイプのリアディレイラーが採用されたことです。シャドーディレイラーは従来のデザインと比べて横方向への張り出しが少なく、地面や障害物との接触リスクが大幅に低減されます。MTBでのオフロード走行時に大きなメリットとなる設計変更です。
スペック面では、RD-M2000は対応ローギアが最大36Tに拡大されました。RD-M370の最大34Tと比べて、より軽いギアが使用可能となり、急な上り坂での走行がさらに楽になっています。トータルキャパシティは45Tで変わらず、変速段数も9速のままです。
変速テンション方式については、RD-M2000はシングルテンション方式を採用しています。これは上位グレードであるDEOREやSLXなどにも採用されている方式であり、より安定した変速性能が期待できます。
現在の市場においては、RD-M370は生産終了となっているモデルもありますが、在庫品やパーツ取り寄せで入手可能な場合もあります。新規で購入する場合は後継のRD-M2000を選択する方が合理的ですが、既にRD-M370を使用している場合はまだまだ十分に現役で使えるリアディレイラーです。
従来型とシャドータイプの違い──RD-M370の構造的な特徴
RD-M370は従来型(ノーマルタイプ)のリアディレイラーであり、後継モデルのRD-M2000で採用されたシャドータイプとは構造が異なります。両者の違いを理解することで、RD-M370の特性がより明確になります。
従来型リアディレイラーは、フレームのリアエンドから外側に大きく張り出す構造です。パンタグラフ機構がフレームから離れた位置に配置されるため、横方向の張り出しが大きくなります。RD-M370もこの従来型に分類され、パンタグラフ部分とプーリーケージ部分の2箇所にテンションスプリングを持つダブルテンション構造を採用しています。
一方、シャドータイプのリアディレイラーは全体的にチェーンラインに隠れるように設計されています。後ろから見た時に右側への出っ張りが少なく、自転車のシルエットの中にリアディレイラーが収まるような形状です。シャドータイプの多くはシングルテンション構造を採用しており、可動部が少なくシンプルな設計となっています。
シャドータイプの主なメリットとして、落車時や障害物との接触時の耐性が高いこと、横方向への出っ張りが少ないことによる空力性能の向上、そしてシングルテンションによるチェーンの安定性向上が挙げられます。路面からの振動や衝撃を受けた際にもチェーンの挙動が安定しやすい点は、オフロード走行において大きな利点です。
一方で、従来型であるRD-M370のダブルテンション構造にも利点があります。2箇所のテンションスプリングが連動して作動するため、チェーンの移動がよりスムーズに行われる傾向があり、変速のスムーズさに優れるとされています。
RD-M370の取り付けと調整方法──自分でできるセットアップ
RD-M370の取り付けと調整は、正しい手順を踏めば自分で行うことも十分可能です。必要な工具はプラスドライバー、5mmアレンキー(六角レンチ)、ワイヤーカッター、そしてチェーン切りです。作業前にフレームのリアエンドにある直付け用ディレイラーハンガーが装備されていること、そしてハンガーが曲がっていないことを確認しておくことが重要です。ディレイラーハンガーが曲がっていると、いくら調整しても正確な変速ができないため、曲がりがある場合は修正または交換が必要となります。
取り付けはRD-M370を直付けハンガーにボルトで固定します。この際、Bテンションアジャストプレートがハンガーの爪に正しくかかっていることを確認してください。チェーンを通す際はガイドプーリー(上側)とテンションプーリー(下側)の間を正しく通過するようにします。チェーンがケージプレートの外側を通ってしまうミスは初心者に多いため注意が必要です。
調整はまずトップ側(Hボルト)から行います。変速レバーをトップ側(最小ギア)にセットした状態で、プーリーがトップギアの真下に来るようにHボルトを回します。プーリーがトップギアの外側まで行き過ぎる場合はHボルトを時計回りに締め、内側までしか来ない場合は反時計回りに緩めます。次にロー側(Lボルト)の調整を行い、プーリーがローギアの真下に来るようにします。ロー側の調整が不十分だとチェーンがスプロケットを超えてスポーク側に落ちる危険性があるため、特に慎重に作業してください。
ワイヤーテンションの調整はケーブルアジャストボルトを使用して行います。変速が遅い場合はアジャストボルトを反時計回りに回してワイヤーを張り、変速が速すぎる場合は時計回りに回してワイヤーを緩めます。テンション調整ボルトは一度に4分の1回転程度ずつ回すのが適切で、少しずつ回しながら実際に変速を繰り返してスムーズかつ正確に変速するポイントを探っていく作業が必要です。
Bテンションアジャストボルトはガイドプーリーとスプロケットの距離を調整するためのものです。チェーンをフロントの最小ギア、リアの最大ギアにセットした状態でクランクを逆回転させながら調整します。プーリーがスプロケットに近いほど変速のレスポンスが良くなりますが、近すぎるとチェーン詰まりの原因となるため適切な距離を保つことが重要です。
RD-M370の互換性──他パーツとの組み合わせについて
RD-M370の互換性について正しく理解することは、カスタマイズやアップグレードを検討する上で欠かせません。
シフター(変速レバー)については、RD-M370は9速対応であるため基本的にシマノの9速用シフターと組み合わせて使用します。シマノの場合、9速まではロード用とMTB用のリアディレイラーに互換性があるため、ロード用の9速シフターとRD-M370を組み合わせることも可能です。ただし10速以降はロード用とMTB用でケーブルの引き量(シフターのレバー1クリックあたりのワイヤー移動量)が異なるため、互換性がなくなる点に注意が必要です。
スプロケットについてはシマノの9速用カセットスプロケットであれば基本的に使用可能で、11-32Tや11-34Tといった一般的なMTB向けスプロケットとの組み合わせが想定されています。対応ローギアは28T〜34Tの範囲であるため、それ以上の大きなローギアには公式には対応していません。
チェーンは9速用を使用する必要があり、シマノのCN-HG93やCN-HG53などが該当します。8速用のチェーンでも物理的には使用できる場合がありますが、最適な変速性能を得るためには9速用チェーンの使用が推奨されます。
8速のシステムでRD-M370を使用しているユーザーも存在します。8速と9速ではケーブルの引き量が同じであるため物理的には互換性がありますが、シマノ公式としては9速での使用を推奨しており、8速での使用はあくまで自己責任となります。
RD-M370のメンテナンス方法──長く使うためのポイント
RD-M370を長く快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。適切な手入れを行うことで、エントリーグレードでありながら長期間にわたって安定した変速性能を維持できます。
プーリーの回転軸やリンクのピボット部分には定期的な注油が重要です。潤滑が不足すると変速の動きが渋くなり、変速精度が低下します。チェーンオイルやディレイラー用の潤滑剤を使用し、各可動部分に少量ずつ注油してください。過剰な注油は汚れを呼び込む原因となるため、注油後は余分な油分をウエスで拭き取ることが望ましいです。
シフトワイヤーは使用とともに伸びてくるため、定期的なテンション調整が必要です。特に新品のワイヤーに交換した直後は初期伸びが発生しやすいため、走行後に再調整を行うとよいでしょう。ワイヤーにほつれや錆が見られる場合は変速不良やワイヤー切れの原因となるため、早めの交換が推奨されます。アウターケーブルの中にも汚れや水分が入り込むため、こちらも定期的な交換が望ましいです。
上下のプーリー(ガイドプーリーとテンションプーリー)は消耗品です。歯が摩耗すると変速性能が低下し、チェーンの噛み合いが悪くなります。RD-M370はエントリーグレードであるためプーリー以外に交換できる部品が限られており、プーリーの摩耗が進んだ場合はプーリーのみの交換か、リアディレイラーごとの交換を検討することになります。
RD-M370のトラブルシューティング──よくある問題と対処法
RD-M370を使用する中でよくあるトラブルとその対処法についてお伝えします。変速に関するトラブルの多くは、適切な調整で解決できます。
変速がスムーズにいかない場合は、まずシフトワイヤーのテンションを確認します。アジャストボルトで微調整を行い、それでも改善しない場合はワイヤーの状態を点検してください。特定のギアでチェーンが落ちる場合はトップ側またはロー側のリミットボルト(HボルトまたはLボルト)の調整を確認し、あわせてディレイラーハンガーの曲がりがないかもチェックします。
異音がする場合はチェーンラインのずれやBテンションの調整不良が原因であることが多いです。Bテンションアジャストボルトを調整してプーリーとスプロケットの距離を適切に保ちましょう。リア周りから「ガチャガチャ」「チャリチャリ」という異音がする場合はディレイラーハンガーの曲がりを疑い、自転車を後ろから見てリアディレイラーが真っ直ぐ下を向いているか確認してください。
変速が全く動かない場合はシフトワイヤーが切れていないか、またはシフター内部でワイヤーが引っかかっていないかを確認します。ワイヤーの固定ボルトが緩んでいる場合も同様の症状が出ます。
ディレイラーハンガーの状態は変速性能に大きく影響します。ハンガーが曲がった場合は専用工具を持つ自転車店で修正してもらうか、新品のハンガーに交換するのが最善です。曲がったハンガーの修正は1回までにとどめ、基本的には交換が推奨されます。繰り返し修正すると金属疲労で折れるリスクが高まるためです。
RD-M370からのアップグレード──おすすめの選択肢と評判
RD-M370からのアップグレードを検討している場合、用途や予算に応じていくつかの選択肢があります。
同じ9速システムのままアップグレードする場合はRD-M4000(ALIVIO)やRD-M3000(ACERA)が候補です。これらはシャドータイプのデザインを採用しており、対応ローギアも36Tまで拡大されています。シフターやスプロケットを変更する必要がなくリアディレイラーのみの交換で済むため、最もコストパフォーマンスの良いアップグレード方法です。
より本格的なアップグレードを目指す場合は10速や11速システムへの移行が選択肢となります。ただしリアディレイラーだけでなくシフター、スプロケット、チェーンなどの駆動系パーツを一式交換する必要があり、費用は数万円規模になります。その分、変速段数の増加による細かなギア選択が可能になり、走行の快適性が大きく向上します。
近年はMTBの世界で12速システムが主流になりつつあり、フロントシングル(フロントギアを1枚のみにする構成)との組み合わせが一般的となっています。フロントシングル12速システムは変速操作がシンプルでチェーン落ちのリスクも低減されるため、大幅なアップグレードを考えている場合は検討に値します。
まとめ──シマノ RD-M370の評判と選ぶべき人
シマノ RD-M370は、ALTUSグレードの9速対応リアディレイラーとして、エントリークラスの自転車に広く採用されてきた実績あるモデルです。ダブルサーボパンタメカニズム、ワイドリンク設計、低摩擦ブッシングなど、シマノの基本的な変速技術がしっかりと盛り込まれており、約4,000円前後という価格帯を考えれば十分な性能を提供しています。
「価格相応に十分使える」という評判が示す通り、日常的なサイクリングや通勤通学、軽いトレイルライドには十分対応できるリアディレイラーです。後継モデルのRD-M2000はシャドータイプの採用やローギア対応範囲の拡大など確実な進化を遂げているため、新規購入の場合は後継モデルが推奨されます。一方、既にRD-M370を使用している場合は、適切なメンテナンスを行うことで今後も十分に活躍できます。
自転車のパーツ選びにおいて重要なのは、自分の用途や予算に合ったものを選ぶことです。RD-M370は、エントリーグレードとして多くのサイクリストの入門を支えてきた信頼のおけるパーツであり、コストパフォーマンスを重視する方にとって有力な選択肢です。


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