シマノ BB-RS500-PBは、コストパフォーマンスに優れたプレスフィットボトムブラケットとして高く評価されています。約70gという軽量さと新シール構造による優れた耐久性を備えながら、標準価格2,697円(税込)という手頃な価格帯が、多くのサイクリストから支持される理由となっています。特にGRXシリーズとの相性が良く、グラベルロードバイクユーザーにとって最適な選択肢の一つです。
この記事では、シマノ BB-RS500-PBの評判や特徴について詳しく解説します。プレスフィットBBの基本的な知識から、製品の具体的なスペック、取り付け方法、メンテナンスのポイント、そして他製品との比較まで、BB-RS500-PBの購入を検討している方が知っておくべき情報を網羅しています。ロードバイクやグラベルロードバイクのBB交換を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
シマノ BB-RS500-PBとは
シマノ BB-RS500-PBは、シマノが展開するプレスフィット(圧入式)ボトムブラケットです。BB-RS500-PBの「PB」はプレスフィットを意味しており、フレームに直接圧入して固定するタイプのBBとなっています。主にグラベルロードバイク向けに設計されており、シマノのグラベルコンポーネントシリーズであるGRXとの組み合わせで使用されることが多い製品です。
製品の基本スペックについて見ていきましょう。モデル番号はBB-RS500-PBで、GRX 10スピードシリーズに対応しています。BBタイプはシマノ独自のホローテックII規格のプレスフィットタイプであり、シェル幅は86.5mmのBB86規格に準拠しています。アダプターの材質はレジン(樹脂)製で、平均重量は約70gから71g程度です。標準価格は2,697円(税込)となっており、プレスフィットBBとしては比較的手頃な価格帯に位置しています。
BB86規格とは、シマノが開発したプレスフィット規格のことを指します。この規格はPF86とも呼ばれることがあり、おそらく現在最も多く普及しているプレスフィット規格といえるでしょう。BB86規格のBBシェル幅は86.5mm、BBシェル内径はφ41mm、ベアリング内径はφ24mmとなっており、シャフト径24mmのクランクに対応しています。カップに入った内径24mmのベアリングを圧入する方式で、シマノのホローテックIIクランクに最適化された規格です。軸径30mmに適したPF30規格とは異なり、アダプターなしで24mmの軸一体型クランクを直接取り付けることができるのが特徴となっています。
シマノ BB-RS500-PBの評判と特徴
新シール構造がもたらす優れた耐久性
BB-RS500-PBが評価されている最大の理由は、新しいシール構造を採用することで実現した優れた耐久性です。グラベルライドでは砂埃や水分にさらされる機会が多いため、シール性能の高さは製品寿命に直結します。BB-RS500-PBの新シール構造は、従来製品と比較してこれらの外的要因からの保護性能が向上しており、過酷な環境下でも安定したパフォーマンスを発揮することができます。
シマノのBBは全般的に回転性能よりも耐久性を重視した設計思想を持っています。シール性を強化することで水分や埃などの侵入を防ぎ、メンテナンスフリーでの長期使用を可能にしているのです。そのため、セラミックベアリングを採用した他社製BBと比較すると回転の軽さでは劣る場合がありますが、日常使用における信頼性の高さは折り紙つきといえます。
滑らかな回転性能の実現
新シール構造は耐久性だけでなく、滑らかな回転性能も実現しています。ペダリング時の抵抗を最小限に抑えることで、効率的なパワー伝達をサポートしてくれます。ボトムブラケットはペダルを踏む力がクランクを通じてチェーンに伝わる際の重要な接点であり、BBの性能が良いほどエネルギーロスが少なくなり、効率的な走行が可能になります。
BB-RS500-PBは約70gという軽量さを実現しており、これはスレッドタイプのBB-RS500(約92g)と比較すると20g以上も軽くなっています。プレスフィットタイプはネジを使用しないため、その分の重量削減が可能であり、また剛性面でも有利とされています。
GRXシリーズとの最適な互換性
BB-RS500-PBはGRXコンポーネントとの使用を想定して設計されています。GRXとはシマノが展開するグラベルロードバイク専用のコンポーネントシリーズで、グラベルライドに最適化した操作性やギア構成、堅牢さを兼ね備えたコンポーネントとしてゼロから設計されています。
GRXにはGRX 12スピード、GRX Di2 11スピード、GRX 11スピード、GRX 10スピードの4つのラインが存在し、すべてのラインで油圧式ディスクブレーキが採用されています。GRX内にはカセットスプロケット、チェーン、BBなどは独自にラインナップされていないため、これらは適宜互換性のあるロード用パーツを使用することになります。プレスフィット型BBの公式推奨としてBB-RS500-PBが指定されており、GRXクランクとの組み合わせで最適なパフォーマンスを発揮します。
GRXの大きな特徴の一つにワイドチェーンラインの採用があります。グラベルロードバイクでは太いタイヤを装着することが多いため、FD(フロントディレーラー)とFC(クランク)が外側にオフセットされています。このワイドなチェーンラインにより、太いタイヤを履かせてもタイヤとの干渉を避けることができ、また泥詰まりを軽減する効果もあります。
価格と性能のバランスが良いコストパフォーマンス
BB-RS500-PBの標準価格2,697円という価格帯は、プレスフィットBBとしては比較的手頃な部類に入ります。上位グレードのプレスフィットBBと比較するとやや重量は増しますが、その分コストを大幅に抑えることができます。
シマノのBBはデュラエースであろうとティアグラであろうと、実売価格で2,000円以下の差しかないことが多く、この程度の価格差で劇的な違いが出るような作り分けをすること自体が難しいともいわれています。実際の走行においてもBB単体での性能差を体感することは難しく、むしろ耐久性やメンテナンス性の違いが重要になってきます。
ボトムブラケットの基礎知識
ボトムブラケットの役割と効果
ボトムブラケットは自転車の駆動部分を支える重要なパーツで、略してBBとも呼ばれています。クランクシャフトを包み込むような形でBBシェルに装着され、内蔵したベアリングでクランクシャフトを保持しつつ、円滑に回転するのを助けるのが主な役割です。
初心者の方にはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、BBには主に「ペダリングが軽くなる」効果と「ペダリングが滑らかになる」効果の2点を期待できます。ペダルを踏む力がクランクを通じてチェーンに伝わる際、BBの性能が良いほどエネルギーロスが少なくなり、効率的な走行が可能になるのです。自転車のパーツ選びにおいてBBは地味な存在かもしれませんが、ペダリングの効率や快適性に直結する重要なパーツといえます。
スレッドタイプとプレスフィットタイプの違い
現在のロードバイクやグラベルロードバイクで使用されるBBは、大きく分けて2つのタイプがあります。
スレッドタイプ(ねじ切りタイプ)は長年使用されている伝統的な種類で、フレーム側にネジ山があるのが特徴です。BBをフレームにねじ込んで固定する方式のため、取り付けや取り外しが比較的容易で、シール性に優れており異音が発生しにくいという魅力があります。一方で構造上どうしても重量がかさみやすく、プレスフィットタイプと比較すると軽量化が難しいという課題があります。ただしメンテナンス性の高さから、今でも多くのサイクリストに愛用されています。
プレスフィットタイプ(圧入式)は、フレームに直接圧入して固定するタイプのBBです。軽量性や剛性の高さから、近年ロードバイクで主流となってきています。圧入式BBの最大の特徴はクランクとフレームが一体化されることで、効率的なパワー伝達を実現する点です。ネジを使用しないためその分の重量削減が可能であり、また剛性面でも有利とされています。ただしプレスフィットタイプはここ数年で急速に広まってきたタイプであるため、取り付けには専用工具が必要で技術的な難易度も高くなります。
BBのシェル幅について
BBを選ぶ際にまず確認すべきなのがシェル幅です。フレームによってBBのサイズが決まるため、適合するものを選ばなければ取り付けることができません。
以前であればシェル幅は68mmか70mmかの二択でしたが、現在はBBのシェル幅に様々なサイズが存在します。シェル幅68mmにはJIS(日本工業規格)またはBSC/BSA(イギリス工業規格)、各国共通のISO規格があります。シェル幅70mmはITA(イタリアン規格)に基づき、イタリアメーカーの一部が採用しています。メーカーによってシェル幅のサイズは18種類以上も展開されており、把握するのが難しい場合はメーカーに問い合わせするか、ノギスを使用して計測することをおすすめします。
なおロード用の取り付け幅86.5mmの規格を「BB86」、マウンテンバイク用の取り付け幅89.5mmおよび92mmの規格を「BB92」と呼んで区別しています。BB-RS500-PBはロード用のBB86規格に対応した製品です。
シマノのホローテックII技術とは
ホローテックIIの概要
ホローテックIIは、シマノが開発したボトムブラケットおよびクランクの規格です。2003年モデルから発売が始まり、十数年を経た現在でも現行の規格として、現代のスタンダード的な存在となっています。
ホローテックII技術は、剛性と軽量性の高次元バランス、そして優れた回転性能を追求したテクノロジーです。BB軸を一体構造とし、左右のベアリング幅が広がることでボトムブラケットシャフトのたわみを抑制し、ペダリング力を高効率に伝達します。現行のシマノクランクのホローテック2規格のボトムブラケットは共通規格となっているため、ティアグラのクランクとデュラエースのBBを組み合わせて使用することも可能です。ただしロード用とMTB用はBBの厚みが異なるため互換性がありません。
ホローテックII BBのグレード別比較
シマノのホローテックII BBはクランクのグレードごとに細かく分かれているわけではなく、いくつかのグレードで共通して使用できるようになっています。
スレッドタイプ(ねじ込み式)のラインナップを見ると、BB-RS500(ティアグラ以下向け)は平均重量92g、SM-BBR60(105・アルテグラ共通)は平均重量77g、BB-R9100(デュラエース)は平均重量65gとなっています。SM-BBR60は高品質で人気があり、上位グレードのBB-R9100との重量差はわずか8g程度です。価格差も実売で2,000円以下であることが多く、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。
BB-RS500-PB(プレスフィット)は約70gと、プレスフィットタイプということもありスレッドタイプのBB-RS500よりも軽量です。デュラエースグレードのBB-R9100と比較しても5g程度の差しかなく、価格対性能比に優れています。
| グレード | タイプ | 重量 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| BB-R9100(デュラエース) | スレッド | 65g | 最軽量・最上位 |
| BB-RS500-PB | プレスフィット | 約70g | GRX対応・コスパ良好 |
| SM-BBR60(アルテグラ/105) | スレッド | 77g | 人気・高品質 |
| BB-RS500(ティアグラ) | スレッド | 92g | エントリー向け |
BB-RS500-PBの取り付け方法と必要な工具
取り付けに必要な専用工具
BB-RS500-PBの取り付けには、専用の工具が必要です。取り付け工具としてシマノ TL-BB12(プレスフィットBB取付け工具)、取り外し工具としてシマノ TL-BB13(プレスフィットBB取り外し工具)が必要となります。これらの工具は別売りとなっていますので、事前に準備しておく必要があります。
TL-BB12は標準価格5,583円(税込)で、シマノ製プレスフィットBBの2サイズ(外径41mmと42mm)の両方に対応しています。つまりBB86(ロード用)とBB92(MTB用)のどちらも取り付けることができます。
TL-BB13はプレスフィットBBを取り外すための専用工具です。プレスフィットBBは圧入式であるため、取り外し時には内側からハンマーで叩いて取り外す必要があります。なおハンマー(マレット)は工具に付属していないため、別途用意する必要があります。
取り付けの基本手順
まず事前準備として、フレームのBBシェル内部を清掃し、古いグリスや汚れを取り除きます。次に左右のアダプターを組み付ける際には、必ずグリスを塗布してください。グリスには固着防止の効果もあり、将来的な取り外しを容易にします。
組み付け時には必ずインナーカバーを取り付けてください。インナーカバーは砂埃や水分の侵入を防ぐ重要な役割を果たします。その後TL-BB12を使用して左右のBBカップをフレームに圧入します。この際BBカップが斜めにならないよう、まっすぐ圧入することが重要です。圧入完了後、BBカップがフレームに正しく収まっていることを確認します。
取り付け時の注意点
圧入タイプのBBは、角度が悪いとフレームを破損させてしまう可能性があります。取り付け時に最も重要なのはBBカップを斜めに圧入しないことです。両サイドのBBパーツを両側とも一気に取り付けようとすると、どちらか一方もしくは両方ともがフレームに対して斜めに傾いて入っていってしまう場合があります。この状態で無理に圧入を続けるとフレームの破損やBBの不具合につながるため、非常に危険です。
斜めになってしまうのを防ぐ方法としては、BBを両側とも一気に取り付けるのではなく片側ずつ取り付ける方法が有効です。具体的には片方は工具のみをフレームの最適な位置に合わせてフレームに当てておき、もう片方のBBを先に圧入します。片側が完全に入ったらもう片側を圧入するという手順です。自信がない場合は専門のショップに依頼することを強くおすすめします。
シマノのホローテック2 BBにはシェル幅68mm、70mm、73mm、83mm、86.5mmの5種類があるため、必ず自分のフレームの幅に合ったものを選んでください。
プレスフィットBBの異音問題と対策
異音が発生する原因
プレスフィットBBの最大の課題の一つが異音問題です。圧入BBなどによる音鳴りの原因の多くは、BBカップやベアリングなどが歪んだ際にフレームなどと擦れることによるものです。
音鳴りの具体的な原因としては、フレームの精度不良や劣化、BBカップの精度不良や劣化、錆の発生、ベアリングの接着剥がれなどが挙げられます。特に多いケースはベアリングの接着が剥がれて隙間ができてしまうパターンです。ペダルを漕ぐと力がかかり、その隙間で「きしみ音」が発生します。
異音への対策方法
音鳴りの原因がBBと特定できたら、まず「分解洗浄」と「グリスアップ」を試してみましょう。完全に分解して洗浄し、新しいグリスを塗布して再組み付けすることで異音が解消されることがあります。グリスには重要な役割があり、BBカップとフレームの間でクッションのような働きをします。粘度の高いグリスが長期間にわたってこのクッションの役割を果たしてくれます。
グリスは固着防止にも役立ちます。汗による腐食が原因で、シマノのプレスフィットBBがいくら叩いても外せなくなったケースもあります。組み付け時には必ず十分なグリスを塗布しましょう。
BBは消耗品でもあるため、摩耗がひどい場合はBB交換も検討してください。プレスフィットBBは構造的に音が鳴りやすい面があり、なかなか対策が難しいケースもあります。交換しないと解消されないことも少なくありません。
プレスフィットBBの異音問題に悩まされている場合、互換性のあるスレッドフィットBB(左右のBB同士をネジで締め付けて固定するタイプ)への交換も選択肢の一つです。スレッドフィットBBに変えることで将来的なメンテナンスが容易になり、異音問題も解消されやすくなります。
異音の原因特定の難しさ
異音問題の追及は非常にやっかいで、後日のメンテナンスで真犯人が発覚することもあります。異音の正体がチェーンリングの緩みだったというケースもあり、BBは無実だったということも珍しくありません。異音が発生した場合はBBだけでなく、ペダル、クランクボルト、チェーンリングボルトなど周辺パーツも含めて総合的にチェックすることをおすすめします。
BB-RS500-PBのメンテナンス頻度と交換時期
推奨されるメンテナンス頻度
BBのメンテナンス頻度は使用状況によって異なります。週末にライドを楽しむ程度のサンデーライダーの方であれば1年おき、雨の日も乗る方やハードに使用する方、体重のある方は半年に1度のメンテナンスを推奨します。
グラベルロードバイクでの使用では砂埃や水分にさらされる機会が多いため、ロードバイクよりもやや頻繁なメンテナンスが必要になる場合があります。定期的にクランクの回転をチェックし、違和感があれば早めにメンテナンスを行うことで長期間安定したパフォーマンスを維持できます。
交換時期の判断
BBは一般的に走行1万kmでの交換が目安となります。以下のような症状が現れたらBBの交換を検討してください。ペダリング時に異音が発生する、クランクがスムーズに回転しなくなった、ペダリングに引っかかりを感じる、走行距離が1万kmを超えた、といった症状が代表的です。
異音や回転不良が生じるのはBB内のベアリングが劣化したり、グリスが切れてしまったためです。早めの対処で快適なライディングを維持しましょう。
固着したBBの対処法
長期間使用したプレスフィットBBは、汗や水分による腐食が原因で固着してしまうことがあります。シマノの脱着工具TL-BB13を使ってセオリー通りに叩いても外れない場合があり、その場合の対処は非常に困難です。
これ以上叩いたらBBシェルが壊れるのではないかと思うほど叩いても外れない場合は、無理をせず作業を中断することが賢明です。度を過ぎた作業はフレームへのダメージにつながり、シェル内で剥離が起きたら取り返しがつきません。固着がひどい場合は最初からショップに相談することをおすすめします。
セラミックベアリングとの比較
ベアリング素材の違い
BBに使用されるベアリングには、主にスチール(ステンレス鋼)製とセラミック製の2種類があります。シマノのBB-RS500-PBを含む純正BBはスチールベアリングを採用しています。
通常のベアリングはステンレス鋼で作られていますが、セラミックベアリングはセラミック窒化ケイ素で作られています。セラミックベアリングはスチールベアリングよりも硬く(最大30%)、耐久性が向上し、錆びることもないためメンテナンスの手間が省けるとされています。セラミック球は腐食に強く錆びることがないため、グリスが少なくても問題なく回転抵抗を低く抑えることができます。
セラミックBBの実際の効果
しかし実際の実験結果は必ずしもセラミックベアリングの優位性を示していません。ある実験では複数のメーカーのセラミックベアリングにおいて、安価なスチール製品よりも摩擦損失が大きいという結果が出ています。この理由として、ボトムブラケットの総摩擦損失において「シール」と「潤滑剤」の摩擦損失がベアリングの総摩擦抵抗に対して支配的であるという事実があります。つまり「セラミックベアリングだから摩擦抵抗が小さい」とは必ずしも言えないのです。
セラミックBBにすると「平地で1〜2km/h速く走れるようになった」「坂道が楽になった」といった声がある一方で、「誤差の範囲では?」という意見も少なくありません。回転数が毎分万単位になるようなモーターなどではセラミックベアリングの効果は高いといえますが、ロードバイクではベアリングの回転数は比較的低いため顕著な効果があるとは言いづらいのが実情です。また時速30キロで走行しているときの抵抗の80%は空気抵抗といわれており、BBの摩擦抵抗はそれほど大きな割合を占めていません。
価格差と費用対効果
セラミックBBとスチールBBの価格差は非常に大きいです。高性能なセラミックBBの価格は約4万円にもなりますが、シマノのデュラエースBB(BB-R9100)の価格は約4千円です。つまり10倍もの価格差があります。
このような背景から、コストパフォーマンスを重視するのであればシマノのBB-RS500-PBは非常に賢い選択といえます。セラミックBBの数分の1の価格で十分な性能と信頼性を得ることができます。高価なセラミックBBを導入するよりも、シマノの純正BBを定期的に交換する方が多くのサイクリストにとって現実的な選択肢でしょう。
BB-RS500-PBに関するよくある疑問
ロードバイクへの使用について
BB-RS500-PBはGRXシリーズ向けとして設計されていますが、BB86規格のフレームであればロードバイクにも使用可能です。ただしフレームのBB規格が合っているかを必ず確認してください。シマノのホローテックII規格のクランクであればグレードを問わず使用可能であり、デュラエースのクランクと組み合わせて使用することもできます。
自分での取り付けについて
自分で取り付けることは可能ですが、専用工具(TL-BB12、TL-BB13)が必要です。また圧入作業は角度を誤るとフレームを破損する恐れがあるため、経験がない場合はショップに依頼することをおすすめします。プレスフィットBBの取り付けは難易度が高いため、プロの技術を持ったバイシクルショップで取り付けることが安心です。
異音が発生した場合の対処
異音が発生した場合はまずBBだけでなくペダル、クランクボルト、チェーンリングボルトなど周辺パーツも含めてチェックしてください。BBが原因の場合は分解洗浄・グリスアップで改善することがあります。改善しない場合は交換を検討してください。異音問題の追及は非常にやっかいで、真犯人が別のパーツだったということも珍しくありません。
まとめ
シマノ BB-RS500-PBは、GRXシリーズに対応したプレスフィットボトムブラケットとして、グラベルロードバイクユーザーにとって最適な選択肢の一つです。新シール構造による優れた耐久性、滑らかな回転性能、約70gという軽量さ、そして2,697円という手頃な価格帯が魅力であり、コストパフォーマンスに優れたBBとして高く評価されています。
プレスフィットBBには専用工具が必要であり取り付けには一定の技術が求められますが、正しく取り付けることで長期間にわたって安定したパフォーマンスを発揮してくれます。異音問題というプレスフィットBB共通の課題はありますが、適切なグリスアップと定期的なメンテナンスを行うことでトラブルを最小限に抑えることができます。
セラミックBBと比較すると回転の軽さでは劣る可能性がありますが、日常使用における信頼性の高さと圧倒的なコストパフォーマンスを考慮すると、多くのサイクリストにとって現実的で賢い選択といえるでしょう。グラベルロードバイクやロードバイクのBB交換を検討している方は、BB-RS500-PBを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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